統計総点検、月内にも各省に書面調査 統計委、実効性に疑問の声
総務省の統計委員会(西村清彦委員長)は5日、政府統計の総点検を担当する点検検証部会を開き、3月中にも各省への書面調査を始める方針を示した。実施状況の自己点検とデータの保存方法などについて報告を求める。改善が必要な統計を選別し今夏にも再発防止策をまとめるが、書面調査には実効性を疑問視する声もある。
厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査を受け、統計委は政府が特に重要と定める56の基幹統計とそれ以外の233の一般統計の総点検に着手している。
書面調査では、部長など管理者の役割やデータの保存方法、不適切な手法が見つかった場合の対応のルールなどを問う。職員の研修状況もまとめる方針だ。
書面調査を踏まえ、同部会は重点審査する統計を絞り込む。データの修正や調査方法の見直しなどにより予算措置が必要となる統計は優先的に審査する方針で、6月から7月に第1次の再発防止策をまとめる。
ただ、書面調査は各省の自己点検に頼る面が多く、調査の信頼性を確認する仕組みも乏しい。書面調査の実施後、どの統計を重点審査するかの基準も決まっていない。調査対象の統計数は膨大にあり、数カ月程度で再発防止策まで十分な形でまとめることができるか懸念する声も出ている。