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横綱白鵬、復調のカギは心と体のバランス

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大相撲春場所は10日、エディオンアリーナ大阪で初日を迎える。1月の初場所で気になったのが途中休場した白鵬だ。昨年は6場所中4場所で休場、当たり前のように毎場所賜杯を抱いていた姿は過去のものになりつつある。33歳の大横綱は立て直していけるだろうか。

初場所は初日から10連勝して賜杯レースの先頭に立ちながら、11日目から元気なく3連敗を喫して途中休場した。4日目に右膝、5日目に左足首を痛めたという。序盤から危なっかしい、ばたついた相撲が多く、勝ち星を拾っているような状況だったし、本調子ではなかったように見えた。昨年10月に右膝などを手術して11月の九州場所を全休。調整する時間が足りなかった印象だ。それでも場所の途中から少しずつ乗ってきた感じもあったが、それだけでは上位と当たる終盤戦では勝てなかったということだろう。

現実とのギャップに苦慮も

白鵬は3月11日で34歳になる。38歳まで現役を続けた自分の土俵人生を振り返っても、やはり33~35歳くらいが一番きつい時期だった。今まで何でもなかった稽古で疲れるようになったり、寝て起きていればよかった若手の頃と比べてけがが治りにくくなったりと、いろいろな問題が出てくる。体力が落ちていっても、心の中は「まだまだできる」と思っていて現実とのギャップも生まれる。その中で体力を維持するために継続して体を動かしていかないといけないし、これまでの調整法を変えていく必要がある。だが、その方法が確立して体になじむまではとにかく大変だった。

白鵬はすでにピークは過ぎているが、強さを保ってきた。それがこの数年は休場やけがが増えてきた。最近は場所中の朝稽古で休養日を増やしているといい、肉体を維持するために試行錯誤しているのだろう。だが膝をはじめ下半身のけがが増えてくると苦しい。特に相撲は土台となる下半身が最も大事で、膝を曲げて取ることも多い。白鵬はこれまでうまく調整して本場所へ仕上げてきたが、ここから持ち直す作業は想像以上に難しいのかもしれない。

精神面も気がかりだ。白鵬は数字との戦いをモチベーションにしてきたが、昨年9月の秋場所で目標だった大台の幕内通算1000勝を達成。到達できそうな記録はほぼ成し遂げたと聞く。達成感で満たされてしまったらまた違うものに切り替えていかないといけない。記録を励みに相撲を取っていたのであればなおのこと、何かしら新たな目標を持ってやらないと気持ちが続かないと思う。記録とは別に2020年東京五輪まで現役を続けることも目標だそうだが、五輪まであと1年半。その1年半が今の状況では長く感じるのではないか。

1月に白鵬とライバル関係だった横綱稀勢の里が引退した。自分の場合はライバルの武双山(元大関、現藤島親方)が先に引退しても「俺はまだまだやるぞ」と気持ちを新たにして、千代大海(元大関、現九重親方)もいたから頑張ることができた。ただ、20代前半ぐらいの若手がどんどん突き上げて上位に定着する中、自分の力が落ちていく一方だったときには「(上位は)自分がいるところではないのかな」と思い悩むこともあった。横綱鶴竜をはじめ同年代の力士は上位にいるが、白鵬にとって稀勢の里という発奮材料がなくなってしまった影響は少なからずあるかもしれない。

今の自分に合った調整法必要

気持ちで負けてしまったら相撲は取れなくなってくる。けがをして体力が少しずつ落ちているときは特にそうだ。負けても「悔しい」という感覚がなくなってくると怖いし、勝負ができなくなる。自分も11年名古屋場所9日目の若荒雄(元小結、現不知火親方)戦で敗れたとき、悔しさが込み上げてくる感覚が全くなく、何も考えられなかった。これはダメだなと思って、翌日の一番で敗れて引退した。土俵ではある程度緊張感があるからこそ力が出せるし、気持ちで体を動かしている面がある。気持ちがあるから限界も超えられる。

白鵬が復調するカギは心と体のバランスをしっかり取っていくことだ。どこまで体を鍛えていいのか、あるいは体を休めないといけないかを考える必要がある。30歳を過ぎると、場所前に飛ばしすぎて稽古しても、本場所でいきなり疲れが出ることもある。逆に場所前の稽古が少ないと、今度は本場所の相撲で勝てなくなる。若いときは調整もへったくれもないけれど、ベテランはそのバランスを取りながらやらないと体に力が入ってこなくなる。気持ちも焦ってはダメだし、かといってのんびりしていてもダメ。目標をしっかり持って、集中力を切らさずに日々臨むことだ。

致命傷になるような大けがをしたわけではない。自分の体と相談しながらうまくケアをしていくこと。そして自分を見つめ直して、今の自分に合った調整法を見つけて少しずつ変えていくことだ。この苦しい時期を乗り越えられれば、まだまだ大横綱として角界を引っ張っていけるはずだ。

(元大関魁皇)

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