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「独裁者いらない」南米ボリビアで大規模デモ 現場から

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南米の資源国で反米左翼の大統領に国民がノーを突きつける――。政情混乱が続くベネズエラの話ではない。同国の友好国、南米ボリビアで現在起こっていることだ。天然資源に恵まれた同国はエボ・モラレス大統領の下、堅調な経済成長を続けるが、憲法を無視し強権化に突き進む姿勢に国民はベネズエラ政府を重ね合わせる。10月の大統領選を前に、草の根の反政府運動は盛り上がりを見せる。

2月21日、ボリビア中部の商業都市、サンタクルスでは夕方から続々と人々が路上に集まってきた。その後、参加者は「ボリビアはNOと言っている」という標語が書かれた横断幕を掲げ、声をあげ道路を練り歩いた。

「大統領がやっているのは民主主義の破壊だ」。歯医者のナイラ・ロペスさん(26)は憤る。16年の国民投票では国を二分する激論の末、僅差で反対を意味する「NO」が賛成を上回った。しかしモラレス氏は後に「憲法解釈の結果、出馬は可能だ」と主張。自身の影響下にある最高選挙裁判所を通じ、出馬を認めさせた。

06年に先住民として初めて大統領に就任したモラレス氏は一部のエリートが富を独占する従来の社会構造を否定し、資源輸出で得た富を低所得者に分配する政策を推進した。外資系企業が保有する天然ガスの権益を強制的に国営化するといった姿勢も含めて、ベネズエラのチャベス前大統領の政策をなぞったものだ。

天然ガスをはじめとした資源価格の上昇も手伝い、モラレス氏の政策は成功を収めた。現在、ボリビアで極度の貧困層が人口に占める比率は15%と、就任当初の38%から大幅に低下。13年の任期中の平均経済成長率は約5%を記録する。

こうした功績にもかかわらず、国民の間ではモラレス氏に対する拒否感が増している。「我々はベネズエラのような独裁者を求めていない!」。こう叫ぶ一団にいたジャネット・モスティカさん(65)は「今の状況を放置すれば、ボリビアはベネズエラのようになる」と語る。

ベネズエラのマドゥロ大統領の独裁化や難民問題はボリビアでも頻繁に報道されており、国民の関心は高い。国民の8割が「誤っている」と考えているにもかかわらず、モラレス氏はマドゥロ政権の支援を続ける。かつて豊かだった資源国が、左派政権のばらまき政治と強権化で破綻国家となる――。デモ参加者の多くが、こうした危機感を抱く。

もっとも、モラレス氏の支持も根強い。街角にには「NO」に混じり、「SI(賛成)」という落書きも目立つ。

首都ラパスで出会ったアンチェロ・ジェスベルさん(67)は金鉱山で働いていたといい、純金の指輪と金歯が自慢だ。退職前の給与は月2000ドル(約22万3000円)。最低賃金の7倍近い。「左派政権になる前は、我々は奴隷のように働かされるだけだった」。過去の話を聞くと、深いしわが刻まれた表情は険しくなった。

国の多くを山岳が占めるボリビアは産業が育たず、天然資源に依存する。しかし、資源から得られた富を独占したのは植民地時代の支配階級だった白人だ。人口の4割を占める先住民系の多くは教育も受けられず、代々貧困の連鎖を強いられた。

貧困層が暮らす山の丘陵にケーブルカーを敷設したり、学校に朝食を用意したりと、モラレス氏の手掛けるばらまき政策は彼らの生活水準を底上げするためのものだ。13年の任期で、1人当たり国内総生産(GDP)は3倍に増えた。「問題もあるだろうが、エボには感謝している」。ジェスベルさんはこうつぶやく。

一方、先住民系や低所得者層によるモラレス離れも起きつつある。「これまでエボに投票してきたが、民主的な手続きを無視する独裁者は望んでいない」。サンタクルスのデモに参加した露天商のカルロス・アルフレッド氏はこう語る。度重なる汚職疑惑など、長期政権の弊害が表面化し、従来の支持層の離反が起きているという。

もっとも、過去のような格差社会の再来は望んでおらず、10月の大統領選では「誰を選ぶかはまだ決めていない」(アルフレッド氏)。デモ参加者の間でもこうした声が目立ち、ばらまき政治の「その次」は見通せていない。日が落ちた後もデモは続き、市中心部の広場で集会に姿を変えた。立すいの余地もない中、様々な思惑を抱えた集会は夜まで続いていた。

(サンタクルスで、外山尚之)

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