米国一点張りの落とし穴 アジア安全保障で取るべき道
本社コメンテーター 秋田浩之
米朝交渉が行き詰まったまま、北朝鮮の核武装だけが着々と進んでしまう。ハノイでのトランプ米大統領のトップ外交は、そんな不吉な予感を色濃く漂わせる結末になった。
自国の安全保障をどこまで米国に委ねてよいのか。アジアや欧州の戦略家らと話すと、最近、こんな不安をしばしば耳にする。米国に依存した安保政策を再考すべきだという意見が、一部の同盟国でさらに広がるかもしれない。
そのような議論が出ることは悪いこと...
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。