米朝首脳会談、各国メディアが大きく報じる
ハノイで28日までの2日間開かれた米朝首脳会談を各国のメディアは大きく報じた。何らかの合意があるとの前日までの楽観ムードが覆ったことを驚きを加え、伝えた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「会談は急停止、合意はない」と速報した。米CNNテレビは会談終了後のトランプ米大統領の記者会見を生中継した。同氏の「時に歩かなければならない(協議のペースを緩めることもある)」といった言葉に焦点を当てながら、会談が物別れに終わったことを伝えた。
米紙ワシントン・ポスト(同)は、合意の失敗が想定内だと指摘した。「金(正恩)氏が武器庫(の中の核兵器)を手放す見込みは低く、トランプ氏の戦略はリスクが高いという見方があった」という解説を掲載した。
豪紙オーストラリアン(同)は合意文書の署名見送りについて「会談の成功を目指してきたトランプ氏は大きく当惑した」と報じた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、同)は「交渉は乱気流に見舞われた」と表現し、28日に予定されていた両首脳の昼食会などの中止が想定外だったと指摘した。
タイの英字紙バンコク・ポスト(同)は「交渉の破綻は、国内の混乱を相殺するためトランプ氏が求めていた勝利を与えなかった」と論評。トランプ氏が当選した2016年の大統領選へのロシア介入疑惑などを巡り、苦境の同氏が失地回復する機会を逃したと評した。
米朝首脳会談のホスト国となったベトナムの英字紙ベトナム・ニューズ(同)は「衝撃的な展開だ」と報道した。同時に「交渉は具体的な進捗なしに終わったが、トランプ氏は将来の首脳会談への扉を開いたままだ」として3回目の米朝会談の実現に期待を表明した。