鬼平犯科帳、新シリーズ製作へ 日本映画放送
フジテレビ関連会社の日本映画放送(東京・千代田)は、2016年に放送終了した人気時代劇「鬼平犯科帳」の新シリーズを製作する。地上波の系列に縛られず、衛星放送や動画配信の事業者などからも広く出資を募る。ドラマ製作は長らく地上波キー局が主導してきたが、複数の出資者を集める映画の製作委員会に似た仕組みを取り入れ、製作費を確保する。
同社はCS放送やケーブルテレビなどの「時代劇専門チャンネル」を運営。昨年設立した「日本映画企画開発合同会社」が、池波正太郎の原作136作品の映像化権を取得した。江戸中期に実在した火付盗賊改方長官・長谷川平蔵が悪を成敗する物語は1969年に始まり、89年からは中村吉右衛門主演でフジが放送。新シリーズはキャストや脚本を一新し、2023年の完成を目指す。
時代劇は費用がかさむうえ、若年層の視聴率が見込みにくいため地上波での放送はめっきり減った。日本映画放送は約20本のオリジナル時代劇をCS放送やケーブルテレビ事業者と共同製作し、動画サービスのアマゾンプライムでも配信している。この実績を生かして新たな枠組みを探る。藤沢周平の「風の果て」など3作品の映像化権も獲得、映画監督の岩井俊二氏による新作現代劇も製作する。