米通商代表、対中貿易協議「大幅な構造改革求める」
【ワシントン=鳳山太成】米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は27日、議会下院の公聴会で米中貿易協議について証言した。事前に公表した証言文は「中国に大幅な構造改革を求めている」とし、知的財産の侵害や技術移転の強要を阻止することが最も重要だと強調した。中国に約束を確実に守らせる仕組みづくりも合意の条件になると説明した。
米中貿易協議の責任者を務めるライトハイザー氏は「まだやるべき事が多い。(合意までに)すべての問題に対処する必要があり、結果を予測するのは時期尚早だ」として協議の行方に慎重な見方を示した。
知財侵害や技術移転の強要など構造問題に関しては「重要な課題であり、(米国製品の)追加購入では解決できない。新たなルールが必要だ」とクギを刺した。中国は今後6年で農産品やエネルギーなど1兆ドル規模で輸入を増やす意向を示しており、トランプ大統領は評価している。
歴代政権も中国と協議してきた過去を踏まえ「結果的に約束が守られなかったことに失望があった」との認識を表した。中国との合意事項は「実効性のあるものでなければいけない」と述べ、合意事項を確実に守らせるような仕組みづくりが重要だと力説した。
トランプ氏は24日、3月1日までとしていた協議期限を延長し、2日に予定していた制裁関税の引き上げを先送りすると発表した。同氏は24日までの閣僚協議で知的財産保護や技術移転などの構造問題で「大幅な進展があったため」と説明していた。南部フロリダ州にある自身の別荘で、首脳会談を開いて最終合意をめざす意向を表明している。