道知事選、全国唯一の与野党対決 両陣営が結束固め
北海道知事選は3月21日の告示日まで1カ月を切った。短期決戦に突入するなか、自民、公明両党が推薦する夕張市の鈴木直道市長(37)と、立憲民主党や国民民主党などが推薦する元衆院議員、石川知裕氏(45)はそれぞれ結束固めに動いている。道知事選は今春の各地の知事選で唯一の与野党対決となるため、全国からも注目が集まる。
「アジアを中心に急速に北海道への期待が高くなっている。千載一遇のチャンスだ」。23日に札幌市内で開かれた自民党北海道連の臨時大会で、鈴木氏は出席者に北海道の魅力を強調した。その上で「新しい北海道を切り開くため、私をその先頭に押し上げてほしい」と訴えた。
自民党の候補者選びで鈴木氏擁立に待ったをかけた経済団体も、22日に鈴木氏と会談して一枚岩で応援するとの認識を共有。大会に出席した北海道経済連合会の高橋賢友会長は「力を合わせて保守道政の継続という目標に突き進む」と団結を呼びかけた。
対する石川氏も23日に札幌市内で会合を開いた。石川氏がキャッチフレーズとして掲げるのが、自主自立の意志を持った道政運営を目指す「北海道独立宣言」。「自分たちで考えて北海道づくりをすることが大切ではないか」(石川氏)との考えがある。
共産党や社民党などの推薦も受けて野党統一候補となった石川氏は、同日の決起集会で「スクラムを組んで輪を広げてほしい」と訴えた。
今年は夏に参院選を控えるため、4月に行われる統一地方選は重要な前哨戦となる。特に10道県での知事選のなかで道知事選だけが与野党対決となるため、その行方に注目が集まっている。団結を呼びかけた両陣営は、今後さらに活動を加速させていく。
3月24日に告示の札幌市長選も1カ月を切った。再選を目指して既に出馬表明している秋元克広市長(63)は、防災や経済対策などを重点に訴える。立憲民主と国民民主両党からの推薦を受けるほか、自民党道連も秋元氏の支持を決めていて、与野党相乗りの状況となっている。
一方、共産党や市民団体らで構成する「明るい札幌市政をつくる会」は弁護士の渡辺達生氏の擁立で調整している。渡辺氏本人も前向きに検討しており、つくる会は28日に記者会見して候補者を発表する見通しだ。(塩崎健太郎)
4年に一度の統一地方選。2019年は統一地方選と夏の参院選が12年に一度重なる「亥(い)年選挙」だった。