ホンダ八郷社長、「競争力の観点で難しい」 英生産終了
ホンダの八郷隆弘社長は19日、英スウィンドン工場の生産終了について都内で記者会見した。ホンダは2025年に欧州販売の3分の2を電動化する方針を掲げ、「欧州での電動車の生産は競争力などの観点で難しいと判断した」と話した。主な一問一答は以下の通り。
――今回の決断の率直な感想を。
「私も(英国の)駐在経験があり残念だが、欧州でのブランド強化と世界での生産の配置・能力の適正化の観点では一番の選択だ。今日から始まる労使協議の結果を踏まえて最終決定を行う。取引先との協議も今後始める。現時点で費用の算出はできていない。今後の労使協議などを踏まえて決める」
――英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)は判断に影響を与えましたか。
「考慮していない。次期『シビック』の製造拠点を模索した。北米向けは北米でつくる。電動化の加速と北米・欧州での環境対応の違いから決めた」
――供給体制はどうなりますか。トランプ米政権は外国車メーカーに米国生産の拡大を求めています。
「(英国で生産する)『シビック』は55%が北米への輸出分で今後は現地生産に切り替える。日米関係は考慮せず、環境対応などの観点で移管を決めた。他地域への輸出分は移管先を検討中だ」
「欧州圏内は環境規制が近い中国と商品群を共有する。欧州向けの電動車などは日本・中国を軸に供給する。欧州からの(販売などの)撤退は考えていない」
――トルコでも生産終了を決め、再編後の生産能力はどうなりますか。
「トルコ工場でも21年中に『シビックセダン』の生産を終える。日本やタイでの生産の適正化も加えると、世界生産は18年度の540万台から21年末には510万台になる。稼働率は18年度の97%から、21年末には働き方改革なども加えると100%を超える予定だ」
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