18日の衆院予算委員会の主なやりとり
18日の衆院予算委員会での主なやりとりは次の通り。
【統計不正】
玉木雄一郎氏(国民)アベノミクスの成功を演出するため、官邸主導で恣意的に統計を操作したのではないか。
安倍晋三首相 私から何ら指示をしていない。われわれが統計をいじって政策をよく見せようとしたわけでは全くない。
玉木氏 調査対象事業所の入れ替え方法を見直すため、2015年に実施した検討会の議事録の公表がなぜ今月なのか。
藤沢勝博厚生労働省政策統括官 当時の担当者に議事録の原則公開という認識が十分に及ばなかった。
岡本三成氏(公明)問題に対する認識が甘いのではないか。
首相 15年間にわたって誤った処理が続けられていたのに、見抜けなかったという大きな問題がある。責任を重く受け止める。
岡本氏 特別監察委員会の報告書の取りまとめ時期は。
根本匠厚労相 拙速な議論を避け、委員の合意の下にスピード感を持って取り組むと、監察委で再確認されている。
長妻昭氏(立民)なぜ18年1月から全数調査に近づけるデータ修正を実施していたのか。
酒光一章厚労省元政策統括官 (不正な)抽出調査が行われているのは、たまたま聞いた。なぜ18年1月からデータ修正が行われたのか、私は全く分からない。
石崎徹氏(自民)調査対象事業所の変更を巡り15年3月に厚労省幹部に伝えたという「問題意識」とは何か。
中江元哉・元首相秘書官(現財務省関税局長) 秘書官である私個人の考えを話した。首相の指示ではない。経済の実態を適切にタイムリーに表すための改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を持った。
大串博志氏(立民)東京都分の500人以上の事業所で本来の全数ではなく不正な抽出調査が行われていたのを聞いたのはいつか。
元政策統括官 17年から18年にかけての冬ごろだと思うが、いろんな議論をしている中で部下からたまたま出た話だ。日付は全く覚えていない。
高橋千鶴子氏(共産)不正が始まった理由は。
元政策統括官 聞かなかったので、承知していない。
【骨髄バンク】
玉木氏 ドナー登録が進むよう助成制度の在り方を検討すべきだ。
首相 骨髄提供があって初めて成り立つ仕組みだ。希望者がドナーになりやすい環境を整備することが重要だ。19年度から、ドナー休暇制度の導入を企業に働き掛ける活動を支援する。若年層のドナー増加が重要だ。会員制交流サイト(SNS)を用いた普及、啓発を進める。
【五輪相】
階猛氏(国民)桜田義孝五輪相は五輪憲章すら読んでいない。
首相 来年に迫った東京五輪の成功に向け、しっかり取り組んでほしい。
階氏 首相は13日の予算委で「桜田氏は文部科学副大臣として東京五輪招致に大変尽力した」と答弁したが、桜田氏が副大臣に就任したのは招致が決まった後だ。
首相 副大臣への就任は招致決定の後だった。前任の谷川弥一氏と混同していた。
【日米関係】
玉木氏 首相がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦したという報道がある。事実関係は。
首相 ノーベル賞委員会は平和賞の推薦者と被推薦者を50年間明らかにしない。この方針にのっとってコメントは差し控えたい。
玉木氏 推薦は事実ではないのか。
首相 事実ではないと申し上げているのではない。トランプ氏は北朝鮮の核・ミサイル問題の解決へ果断に対応し、昨年は歴史的な米朝首脳会談を行った。リーダーシップを高く評価している。
【拉致問題】
石崎氏 北朝鮮による拉致被害者の田中実さんが平壌で妻子と生活していると、北朝鮮が日本側に伝えていたと判明したとの報道がある。
首相 今後の対応に支障を来す恐れがあり、コメントを差し控える。(拉致被害者の家族会などが17日にまとめた金正恩朝鮮労働党委員長に向けた初のメッセージは)家族の切実な思いが込められたものだ。一日も早い解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動していく。
〔共同〕