行政の施工確認行き届かず
レオパレス21の施工不良問題は行政による施工状態の確認が徹底されていない現状も浮き彫りにした。
建築基準法では建築主が工事完了後、自治体に「完了検査」を申請。図面通りの施工や基準に適合しているかなどの確認を求めている。問題なければ「検査済証」が交付される仕組みだ。
レオパレスの施工不良は1990年代に着工した物件もある。国土交通省によると98年度の全建物における「完了検査」の実施率は約4割にとどまっていた。実際、多数の施工不良が判明した千葉県では「検査済証が発行されていない古い物件が多い」という。
その後、阪神大震災などをきっかけに検査体制が強化され、「完了検査」の実施率は約9割に上昇した。しかし、建築主が「完了検査」を依頼しても「全てを行政が確認するわけにはいかず、工事管理者からの報告書類を基に判断する部分もある」(自治体担当者)との声も残る。
今回の施工不良は天井裏など目視での確認が難しい部分で発覚している。施工確認の手法なども含め、体制の見直しが問われそうだ。