福井の織物3社、共通ブランド シルクなど技術力PR
福井県の織物製造3社は15日、技術の発信と維持を目的とした共通ブランド「BATTAN BATTAN(バッタンバッタン)」を立ち上げたと発表した。首都圏や欧州、香港などの富裕層向けに高級ストールを製造し、今秋をメドに百貨店や新設するブランドサイトで販売を始める。
国内トップクラスの織りの技術を持つ織工房風美舎(福井市)、山崎ビロード(越前市)、東野東吉織物(勝山市)の3社が連携した。本来は企業秘密の独自の織り技術も共有しながら各社が「いまだ世にない」という製品の開発を目指す。
ブランドとしての展開に加え、海外のトップブランドからの受注拡大にもつなげたい考え。
ブランドの共同代表を務める織工房風美舎の沢田真介社長は「若者が(織物業を)志すきっかけをつくり、産地の技術を維持することが最大の目的だ」と話す。
ストールは生地の素材感が出やすく技術力をアピールできるとして商材に選んだ。メッシュ生地をつくるカラミ織り、ベルベット、和服の胴裏をつくるぬれよこ羽二重の3種類の織り方で、5つの製品を用意。いずれもシルクとカシミヤを使い、ブランドとしての統一感を出している。
価格は10万円前後を予定。販売と製造は製品ごとに3社が分担する。当初は1社当たり年間300枚程度の製造が可能としている。