JR東 都心と羽田空港結ぶ新線、29年度にも開業
JR東日本の深沢祐二社長は15日、羽田空港と東京都心を結ぶ新路線「羽田空港アクセス線」について、5~6月に、東京駅方面とつなぐ「東山手ルート」の環境影響評価に着手すると発表した。2029年度の開業を目指す。開通すれば、羽田空港と東京駅を約18分で結び、従来よりも約10分短くなる。
東山手ルートは空港に設ける新駅から、約5キロメートルのトンネルを新設して東京貨物ターミナルまでつなぐ。ターミナルから山手線田町駅近くまでの約7.4キロメートルは、自社の貨物線を利用する。同駅近くからは東海道線に乗り入れる。
JR東は環境評価に3年、工事に7年かかるとみている。深沢社長は日本記者クラブでの会見で「羽田空港は利用が増えていく。アクセス線をつくることは社会的に意義がある」と話した。
東山手ルートが開業すれば茨城、群馬、栃木方面を結ぶ「上野東京ライン」の電車も、羽田空港に直接乗り入れることができる。
JR東は新宿駅方面とつなぐ「西山手ルート」、新木場方面とつなぐ「臨海部ルート」の計3ルートを計画している。
総事業費は約3200億円で、自治体などからの補助金も活用していきたい考え。新たなインフラで、課題だった羽田空港から東京都心へのアクセスを改善する。
JR東は同日、訪日外国人専用のSuica(スイカ)を9月に発売すると発表した。訪日外国人の利用実態を踏まえて、利用期間は28日間に限定する。スイカに必要なデポジット(預かり金)を不要にして利便性を高める。