前首相秘書官「不適切な意図ない」 統計不正の「問題意識」伝達で
財務省の中江元哉関税局長は15日午前の衆院予算委員会で、安倍晋三首相の秘書官在任時に厚生労働省の毎月勤労統計の調査方法に関する「問題意識」を伝えたことについて「政府に都合のいいデータが出るように不適切な方法をとらせる意図はなかった」と述べた。
中江氏は2015年3月に厚労省から調査対象事業者の入れ替えに伴うデータ変動の説明を受けた。衆院予算委では「経済の実態をタイムリーに表すために、改善の可能性について考えるべきではないかとの問題意識を伝えた記憶がある。当然の反応をしたつもりだ」と主張した。厚労省から伝えられた毎勤統計のデータ変動の内容を首相に伝えたか問われ「(15年)9月の国会答弁の勉強会で説明した」と語った。
厚労省の藤沢勝博政策統括官は、15年5月に毎勤統計の調査方法の見直しを検討する有識者会議を設置したことに関し「首相秘書官への説明前から改善策を検討する必要があると考えていた」と述べた。中江氏の「問題意識」の影響を否定した。