ゴーン元会長、無罪主張へ 刑事裁判へ3者初協議
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)らの刑事裁判に向けた協議が14日、東京地裁でスタートした。裁判所、検察、弁護人の3者による初の協議となる。ゴーン元会長は無罪を主張する意向を示しており、弁護側は争点を絞り込む「公判前整理手続き」を求めた。今後、証拠や証人の取り扱いを巡り、検察側と弁護側が激しく対立することも予想される。
3者協議には東京地裁の下津健司裁判長や東京地検公判担当検事らのほか、新たにゴーン元会長の弁護人に就任した弘中惇一郎弁護士らが出席した。
ゴーン元会長は、自身の役員報酬を過少記載したとする金融商品取引法違反や特別背任罪に問われている。刑事裁判で争う意向を示しており、今後、公判前整理手続きに移行。争点や裁判で取り扱う証拠などを整理し、刑事裁判のスケジュールを決めるとみられる。
最高裁によると、公判前整理手続きにかかった期間は2017年に平均約8.1カ月。初公判までに半年はかかる可能性がある。検察側はゴーン元会長の中東を舞台にした資金を巡る捜査を継続しており、捜査の進展次第では初公判の日程は不透明となる。
弘中弁護士は、郵便料金不正事件の村木厚子・元厚生労働次官や陸山会事件の小沢一郎・自由党共同代表の弁護人を務めるなど数多くの著名事件で無罪判決を勝ち取ってきた。
ゴーン元会長の勾留は18年11月の逮捕以来、3カ月近くに及ぶ。公判前整理手続きが終わった段階で、保釈される可能性がある。
一方、法人として起訴された日産は起訴内容を認めており、早期に裁判を終結させたい意向とみられる。全面対決が予想されるゴーン元会長らと分離して、手続きが進められそうだ。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。
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