JR北海道、東急などと観光列車で道内活性化
JR北海道は12日、JR東日本や東京急行電鉄、JR貨物と組み、新たな観光列車プロジェクトを立ち上げた。JR北が他社の車両を借りて運行したり、他社に道内で観光列車を運行してもらったりする。経営再建中のJR北は費用負担を抑えながら、訪日外国人客らの鉄道利用を増やす考えだ。
JR北など4社は同日、東京都内で記者会見し、プロジェクトを発表した。2018年9月に道内で発生した地震からの復興を目指し、観光振興や地域活性化を後押しするため、4社が連携することになった。
JR北はJR東の車両を借り、19年夏に旭川―稚内間で観光列車「風っこ そうや」を運行。東急は20年夏ごろ、札幌から道東にかけて自社の豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を走らせる。JR貨物はこれらの車両を北海道まで運ぶ。
経営再建中のJR北は18年7月、国土交通省から経営自立に向けた監督命令を受けている。国は資金支援を継続する前提条件として、20年度までの2年間に経営改善の成果を挙げることを求めており、「観光列車の充実」は検討課題の一つとして明記していた。今回の連携策は経営再建策の一環といえる。
北海道を観光する訪日客が増えるなか、観光列車を呼び水に鉄道利用者の底上げを目指す。JR北の島田修社長は今回の取り組みについて「地域との連携や(路線見直し)協議にも生かしていく」と話した。