「民主政権は悪夢」 岡田氏の撤回要求、首相は拒否
「取り消しなさい」「取り消しません」――。安倍晋三首相が10日の自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と述べたことを巡り、12日の衆院予算委員会で立憲民主党会派の岡田克也氏(無所属)と首相が応酬した。岡田氏は撤回を求めたが、首相は「言論の自由がある。少なくともバラ色の民主党政権でなかったのは事実だ」と拒否した。
岡田氏は民主党政権で副総理や外相を務めた。予算委での質問後、記者団に「野党を頭から否定する言い方はいかがなものか。ちっちゃな首相だ」と批判した。自由党の小沢一郎共同代表も記者会見で、首相の「悪夢」発言について「彼にとってはそうだろう。もう一度、悪夢を見てもらえばいい」と反発した。
首相は10日の党大会で2007年参院選を振り返り「わが党の敗北で政治は安定を失い、あの悪夢のような民主党政権が誕生した」と述べた。「決められない政治。経済は失速し、後退し、低迷した。あの時代に戻すわけにいかない」とも語った。
立民の枝野幸男代表は11日の全国幹事長会議で「あの時代はむしろ自殺者が減るなど良くなった部分もある」と反論した。第2次安倍政権で老後や子育ての不安が強まっていると指摘し「悪い夢ではなく現実が悪くなっている」と述べた。