幼保無償化10月から 子ども子育て支援法案を閣議決定
政府は12日、幼児教育・保育を無償化する子ども・子育て支援法改正案を閣議決定した。0~2歳児は住民税非課税世帯、3~5歳は全世帯が対象だ。10月から認可保育所などの利用料を無償にする。消費税率を10%に引き上げることで得られる財源を充てる。
幼児教育・保育の無償化は安倍政権の看板政策の一つだ。消費増税の財源を子育て中の現役世代に回し、政権が掲げる「全世代型社会保障」を構築する。
3~5歳児の認可保育所や認定こども園などは全額無料になる。認可外保育施設を利用する場合は0~2歳児が月4万2千円、3~5歳児は月3万7千円を上限に補助される。無償化の対象はベビーシッターなど認可外施設やサービスなど幅広い。改正法施行後、5年間は国の定める指導監督基準を満たさなくても無償化の対象になる。
指導監督基準を満たさない施設が対象に含まれることを懸念する声が上がっており、自治体が独自に保育の質が確保された施設に条例で限定できるよう認める。無償化にかかる費用は総額で年7764億円を見込む。19年度分は全額国費で負担する。
また、低所得世帯の学生を対象に大学など高等教育を無償化する新たな法案も閣議決定した。授業料の減免と、給付型奨学金の拡充の2つが柱。今国会での成立を経て、2020年4月の制度開始を目指す。
授業料減免の上限額は国公立大が年間54万円、私立大が同70万円など。給付型奨学金は国公立の自宅生は年間で35万円、私大に自宅外から通う学生が年91万円など。
対象は世帯年収の目安が380万円未満の層で、減免や給付の水準には年収に応じて差を設ける。非課税世帯(同270万円未満)は上限まで支援を受けられる。