伊中銀の独立性「絶対に尊重されるべき」、欧州委員
【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)のモスコビシ欧州委員は11日、イタリア政府が同国中央銀行の独立性を脅かす発言をしたことを巡って、「中央銀行の独立性は絶対に尊重されるべきだ」と強い口調で懸念を示した。中央銀行の政府からの独立性の担保は「ユーロ圏の一部分であり、さらに言えば自由民主主義を支える一機能だ」とも訴えた。
ユーロ圏財務相会合後の記者会見で質問に答えた。同日の会合では議論しなかったという。会合に先立ち、欧州委員会のドムブロフスキス副委員長も「独立性の維持が重要だ」とイタリア政府に求めていた。
イタリアのサルビーニ副首相は9日、イタリア中銀とイタリア証券取引委員会の幹部は同国の金融問題の深刻化を防げなかったとして「完全に追い出されなければならない」と発言。イタリアの貯蓄者に損失を与えた「詐欺師」は「長い間刑務所に入れられる」べきだとも語っていた。