米国務長官「東欧との関係を強化」 中ロをけん制
【ワシントン=中村亮】ポンペオ米国務長官は11日、東欧歴訪を開始した。訪問先のハンガリーの首都ブダペストで開いた記者会見で、中国やロシアを念頭に「我々は長年にわたって東欧諸国を遠ざけて、我々と価値観を共有しない人々にその隙間を埋めさせてしまった」と指摘した。中ロに対抗するため、エネルギー供給や軍事分野での協力をテコに東欧諸国との関係を強める方針を示した発言だ。
米国務省によると、米大統領が最後にハンガリーを訪れたのは2006年。ロシアのプーチン大統領は18年に2回訪問するなど米国の東欧外交にには遅れが目立つとの指摘があった。
ハンガリーではオルバン首相が強権政治を実行し、基本的人権や法の支配などをめぐり欧州連合(EU)とも鋭く対立している。ポンペオ氏は「人道状況、市民の自由、法の支配などの懸念(を伝えること)に尻込みしない」と語った。
会見では中国の華為技術(ファーウェイ)について「通信ネットワークに及ぼすリスクに関して我々が知っていることを(東欧諸国と)共有することが必須だ」と強調した。プライバシー侵害などのリスクをあげて、同社製品やサービスを利用する場合には「米国(企業)が各国と協力することが難しくなる」と警告した。