スペインで4万5千人デモ、サンチェス首相に反発
カタルーニャ独立運動巡り
【パリ=白石透冴】スペイン北東部カタルーニャ州の独立運動をめぐり、同州と対話路線をとるサンチェス首相に反発する約4万5千人のデモが10日、マドリードで起きた。同氏は2019年度予算成立のために同州の協力を得ようとしているが、独立に反対する市民の反発を招いている。政権の弱体化につながる可能性もある。
地元メディアによると、首都マドリードで10日昼ごろ、「1つのスペインを」などをスローガンに集まった。サンチェス氏が同州政府と独立について話し合いの場を持とうとしていることを批判した。
サンチェス氏は同州の独立には反対しているが、自らが率いる与党社会労働党は下院で4分の1以下しか議席を持っていない。対話の姿勢をみせることで、同州系の国会議員が19年度予算に賛成票を入れるよう働きかけている。予算が成立せず政権運営が行き詰まれば、解散・総選挙になるとの観測もある。
カタルーニャ州の独立運動は2017年にピークを迎え、同州は17年10月に一方的に独立宣言した。ラホイ前政権は現行憲法下で初めてとなる同州の自治権停止に踏みきったが、その後の州議会選挙で再び独立賛成派が過半数を握っている。