堺屋太一さん死去 作家、元経済企画庁長官
戦後第1次ベビーブーム世代を指す「団塊の世代」の名付け親で、博覧会プロデューサーや経済評論家などとして多方面で活躍、経済企画庁長官を務めた作家の堺屋太一(さかいや・たいち、本名=池口小太郎=いけぐち・こたろう)さんが2月8日午後8時19分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。83歳だった。告別式は2月17日午後1時から東京・青山葬儀所。喪主は妻で洋画家の池口史子(ちかこ)さん。
東大経済学部卒。1960年に旧通商産業省(現経済産業省)入省。日本での万博開催を提案し、70年の大阪万博の企画を担当。同万博を成功に導いた。沖縄海洋博の企画などにもかかわる。
通産省在職中に著した石油危機に陥った日本を描いた近未来小説「油断!」で作家デビュー。76年の小説「団塊の世代」は戦後のベビーブームで生まれた人口が膨れあがった年齢層の問題を提起、世代を象徴する流行語にもなった。
退官後はテレビの対談番組で司会を務めるなど、幅広く活躍した。85年発表の「知価革命」では、ポスト工業化社会では知的財産が価値を持つとし、情報化社会論を先取りした。
98年、小渕恵三内閣で民間人閣僚として経済企画庁長官に就任し、第2次森喜朗内閣の2000年12月まで務めた。在職中、タクシー運転手や居酒屋店主などに話を聞き、「街角の景況感」を探る景気ウオッチャー調査を始めた。
日本経済新聞朝刊に「世界を創った男 チンギス・ハン」を連載した。