五輪ボランティア「選考」開始 面談で希望など確認
2020年東京五輪・パラリンピックを支えるボランティアの「選考」が9日、スタートした。競技運営にも関わる大会ボランティアには、目標とした8万人の2倍を超える20万人以上が応募。大会組織委員会は面談で活動内容・場所の希望などを確認し、次の研修に進んでもらうかどうかを検討する。マッチングの成否は19年9月以降に通知する予定だ。
組織委と東京都は9日午前、東京・丸の内の東京スポーツスクエアで応募者向けの説明会と面談の「オリエンテーション」を初めて開催。ボランティア応募者約480人が集まった。
「小学生だった1964年の東京大会の時、空にブルーインパルスが五輪を描いたのを自宅の屋上から見た」と話すのは東京都大田区の会社員、江川泰さん(64)。「2020年大会は自分にとって最後の東京五輪だと思う。また日本を元気にするためにボランティアとして貢献したい」と意気込んでいた。
埼玉県に住む公務員、気仙大次郎さん(34)は友人3人と応募。趣味のバスケットボールに関連するボランティアを希望している。「せっかく東京でやるのだから自分も関わりたいと思った。英語はカタコトしか話せないので不安だが、頑張りたい」と笑顔で話した。
組織委は大会ボランティアらを「フィールドキャスト」、空港や駅で観客を案内する都市ボランティアらを「シティキャスト」と命名。オリエンテーションの説明会では活動の概要説明や事務連絡を行った。その後、組織委の職員やボランティア経験者らが約10分間、2人対2人で面談。応募の意欲、活動内容や場所の希望を確認した。
大会ボランティアは、目標の8万人を大きく超す20万4680人が応募した。9つの活動分野のうち、競技会場の運営に関わる「競技」は1万5千~1万7千人の目安に対して約11万9千人が、表彰式で選手らを案内する「式典」が1千~2千人に対して約6万1千人が希望。他方、大会関係者の乗る車を運転する「移動サポート」の希望者は1万~1万4千人に対して約6千人にとどまっている。
今後、組織委は面談などで調整を図るほか、関係団体とも協力して必要なボランティアの確保を進める。
組織委のオリエンテーションはこの日から7月まで、大阪や愛知、福岡など全国11都道府県で行われる。面談などを踏まえ、活動内容や場所のマッチングが成立しない場合は9月以降に通知する。成立したら10月から1回3~4時間程度の共通研修でボランティアの基礎知識のレクチャーなどを受け、20年3月に活動場所や役割が決まる。
応募者のうち36%を外国人が占めており、海外在住者は19年3~7月にテレビ電話などで面談する。マッチング成立の場合は大会直前の20年6月以降に国内で共通研修を行う。
都の都市ボランティアも、目標の2万人を上回る3万6649人の応募があり、都が面談などでマッチングを行う。