イシグロさんに爵位授与「英との大恋愛の一部に」
【ロンドン=共同】英王室のチャールズ皇太子は7日、ノーベル文学賞を2017年に受賞した長崎出身の英国人作家カズオ・イシグロさんにナイト爵位を授与した。イシグロさんは「私の、英国と英国文化との大恋愛の一部だ」と喜びの気持ちを表現した。PA通信が伝えた。
イシグロさんはこの経験を「謙虚な気持ち」で受け止めていると述べた。イシグロさんの文学界への貢献を評価し、英政府は18年6月、爵位授与を発表。ナイトになると「サー」の称号の使用が認められる。
イシグロさんは5歳の時に父親の仕事の関係で渡英、1980年代に英国籍を取得した。PA通信によると、イシグロさんは、英国で第2次世界大戦以降「敵文化」とみられていた日本から移り住み、成功を収めることができたことに「どことない快さ」があると指摘し「恵まれた仕事」に就けたとも語った。
イシグロさんは18年、旭日重光章を受章。長崎県と長崎市から名誉県民、名誉市民の称号を贈られた。