米銀BB&T、サントラスト買収 米銀合併で危機後最大
【ニューヨーク=大塚節雄】米地銀大手のBB&Tは7日、同業のサントラスト・バンクスを買収することで合意したと発表した。買収金額は約280億ドル(3兆円強)。米銀の合併としては2008年の金融危機後で最大となる。金融規制の緩和の流れのなか、米地銀再編の動きが表面化してきた。
19年末までに株式交換を通じて買収し、両行は統合する。統合後は資産や預金の規模で全米で6番目の銀行になる。BB&Tのケリー・キング最高経営責任者(CEO)は「急激に変化する金融サービスの世界で競い、勝つ。そのために必要な規模を得られる非常に魅力的な計画だ」と統合の意義を強調した。
BB&Tはウィンストン・セーラム(ノースカロライナ州)に本店を置き、総資産は2260億ドル。サントラストの本店はアトランタ(ジョージア州)。総資産は2160億ドルで投資銀行部門を持つのが特色だ。
両行の店舗網はともに米東海岸地域を中心に展開しており、店舗網の統合をテコに経営効率の向上が見込める。新銀行の名前は未定だが、本店はシャーロット(ノースカロライナ州)に設ける。
JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど大手金融の一角は未進出の地域を中心に新規出店を積極化しており、地銀業界では大手銀との競合が激しくなっている。IT(情報技術)を駆使した金融サービスを拡充する必要もあり、両行は規模拡大による営業基盤の強化を選んだ。
トランプ政権が掲げた規制緩和や新法に従い、米金融当局は主に中堅以下の金融機関の負担を軽くする方向で制度改正を進めている。合併で規模が大きくなっても、条件によっては厳格な監督や重い法令順守義務の対象に入りにくくなる。地銀にとっては買収や合併といった経営上の選択肢が広がる。今回の動きを機に、米地域金融の再編が相次ぐ可能性もある。
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