核条約の死で揺れるアジア 日本の選択は
本社コメンテーター 秋田浩之
約30年にわたり、米国とロシアの軍拡を抑えてきた条約が消えかけている。両大国がにらみ合う欧州だけでなく、アジア太平洋も荒波にさらされかねない。
日本は予想される影響にどう向き合い、どのような手を打つべきなのか、考えてみたい。
問題となっているのは、中距離核戦力(INF)全廃条約。米国が今月2日に離脱を決め、ロシアも履行をやめた。もはや、蘇生させるのは難しそうだ。
一見すると、核軍縮の条約にみえる...
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。