旭化成が下方修正 今期、樹脂原料の価格下落
旭化成は7日、2019年3月期の連結純利益が前期比15%減の1450億円になる見通しだと発表した。従来予想より150億円の下方修正となる。中国向けの需要が弱くなり、主力のアクリル樹脂原料の価格が下落している。半導体の需要が減速し、半導体部材の販売も伸び悩みそうだ。売上高の見通しも390億円引き下げて前期比6%増の2兆1710億円とした。
同社の「アクリロニトリル」はABS樹脂やアクリル繊維などの原料として使われる。昨年12月に相場が急落しており、1~3月の原材料価格と販売価格の差(スプレッド)は1トンあたり400ドル弱と、10~12月に比べて約6割縮小すると見込んでいる。半導体部材も販売数量が頭打ちとなると予想する。
ただ、足元ではABS樹脂などの需要は回復傾向にあるという。アクリル樹脂原料の市況について柴田豊取締役は「1~3月が底になるだろう」との見通しを示した。
同日までに化学大手6社の2018年4~12月期の連結決算が出そろった。信越化学工業を除く5社が最終減益となった。中国向けの需要が弱まり石化製品の採算が悪化した。
19年3月期の見通しでは3社が最終減益を見込んでいる。一方で半導体や自動車向け素材などが好調で、信越化学と三菱ケミカルホールディングス、三井化学は最高益を更新する見込みだ。
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