ペロシ下院議長、トランプ演説にあきれ顔
【ワシントン=中村亮】5日のトランプ米大統領の一般教書演説では、野党・民主党下院トップのペロシ議長が硬い表情でときにあきれ顔を見せる場面が目立った。トランプ氏がロシア疑惑などを念頭に「経済成長を妨げるのは、ばかばかしい党派的な捜査だ」と民主党をけん制すると、首を横に振って苦笑いを浮かべた。
ペロシ氏はペンス副大統領とともにトランプ氏の後方に座り、演説をとらえる映像を通じて反応が全米に生中継された。トランプ氏が中間層の繁栄をアピールした場面ではペンス氏が立ち上がって拍手をしたのに対し、ペロシ氏は手元の文書に目をやるだけだった。
ペロシ氏ら一部の民主党議員は女性の「権利保護」や「参政権運動」を象徴する白い服を着て議場に臨み、女性蔑視の発言が問題になるトランプ氏に抗議する姿勢をみせた。政府機関の閉鎖でただ働きをさせられた航空管制官も議場に呼んだ。
トランプ氏も用意周到で臨んだ。演説に崩壊したインフラの再建を旗印に与野党の「団結」の必要性を訴えた。野党から反発を受ける国境の壁の建設をアピールするため、人身売買の国際組織を取り締まる特別捜査官や不法移民に肉親を殺された遺族を招いた。
「名字のせいでいじめられた」という東部デラウェア州に住む小学6年生のジョシュア・トランプ君も招待した。
ドナルド・トランプ元アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙で共和党の候補者として、バイデン大統領と再び対決します。「もしトラ」の世界はどうなるのか、など解説します。