WOTA、災害用シャワー発売 排水浄化し再利用
水浄化システムを開発するWOTA(ウォータ、東京・文京、北川力社長)は、水を浄化して再利用する可動式のシャワーを11日に発売する。排水の98%以上を再利用し、100リットルの水があれば100回シャワーを浴びられる計算。災害対策として自治体などからの需要を見込む。
11日から注文を受け付けるのは、核となる水浄化装置の「WOTA BOX」と、給湯器や脱衣所、シャワーブースをセットにした「災害用シャワーパッケージ」。100台限定で販売し、価格は540万円。災害時に対応が必要な自治体や病院のほか、不動産業界などからの引き合いが既にあるという。
上下水道につながっていなくても、発電機や蓄電池とつなぎ、水を用意すればシャワーを浴びられる。灯油があれば湯も沸かせる。使用済みの水からフィルターなどでシャンプーなどの汚れを分離して、繰り返し使う。シャワーを1度浴びるのに50リットル使った場合、排水量は1リットル以下で済むという。
WOTAは2014年設立のスタートアップ企業。市販のフィルターやセンサーと独自開発したソフトウエアを組み合わせて、水の浄化システムを開発している。2016年の熊本地震や18年の西日本豪雨の際に、避難所にWOTA BOXの試作機を提供した。
多くの人の生活は上下水道などのインフラに頼っているが、WOTAの浄化装置があれば、上下水道が整備されていない場所でも生活を送れるようになる。災害時の備えだけでなく、水不足や上下水道の老朽化への対策としても注目を集めている。