新天皇の主要地方公務4つに 「国民文化祭」加わる
宮内庁は31日、代替わり後の新天皇、皇后と皇嗣となる秋篠宮ご夫妻の公務の分担について概要を発表した。地方で行われる公務では、新天皇、皇后となる皇太子ご夫妻はこれまで出席してきた国民文化祭に代替わり後も出席される。現在の天皇、皇后両陛下が出席されている「三大行幸啓」と合わせて、新天皇、皇后の主要地方公務は4つとなる。
秋篠宮ご夫妻は皇太子ご夫妻から地方公務の大半を引き継がれるが、同庁は負担増を避けるため引き継ぐ公務についてさらに検討する。
現在の「三大行幸啓」は全国植樹祭、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会。両陛下は都内で行われる全国戦没者追悼式などの定例行事に出席するほか、海外要人との会見など宮中で数多くの公務をこなされてきた。
5月1日の代替わり後は、これらのほぼ全てを新たに即位する皇太子さまと、雅子さまが担われる。陛下の高齢化に伴い近年は軽減されてきた宮中祭祀(さいし)も、皇太子さまが元の形式に戻して務められる。
一方、皇太子ご夫妻が担ってきた主要地方公務「七大行啓」のうち、国民文化祭を除く全国高等学校総合体育大会(インターハイ)など4つは秋篠宮ご夫妻が、献血運動推進全国大会は秋篠宮妃紀子さまが単独で、それぞれ務められる。皇太子さまの代から出席が始まった全国農業担い手サミットは、三笠宮家の寛仁親王妃信子さまが担われる。
秋篠宮さまはこれまで15の地方公務を含む計34の定例行事に毎年臨んでこられた。代替わりに伴い、皇太子さまから公務を引き継ぐことによる負担を軽減するため、宮内庁は関係省庁などと調整し、公務負担の整理・見直しを進めた。
同庁によると、行事の趣旨が重複する3行事は、長女の眞子さまが担われる。その他の12行事については秋篠宮さまが他の公務のスケジュール上、都合がつかない場合は出席されない。
両陛下は退位後、象徴として担ってきた全ての公務から退かれる見通し。しかし「皇太子明仁親王奨学金」の奨学生との面会などについては両陛下との縁の深さを考慮し、新天皇や皇族に引き継がれないという。山本信一郎長官は31日の定例記者会見で「今後どうするかは主催者側とも検討するが、(何らかの形で)続けられるかもしれない」と述べた。