「平成おじさん」が通った焼肉店(写真でみる永田町)
東京の下町、足立区鹿浜には開店の何時間も前から行列のできる焼肉店があります。小渕恵三元首相の行きつけだった「スタミナ苑」です。看板ものれんも開業当時の50年前と変わりません。
小渕さんといえば、官房長官当時「平成」と書かれた額縁を掲げて有名になった「平成おじさん」ですね。ここに初めてやってきたのも平成になってからでした。「はじめはたしか奥さんと2人の娘さんと来ていたなあ。レモンサワーっていうのはこういう味なんだ、初めて飲んだよ、ってね」と話すのはお店を仕切る豊島雅信さん。「娘さん」の1人は小渕優子衆院議員のことです。
タンやハラミが好きで、お店ではいつもニコニコしてご機嫌な様子だったそうです。「『小渕先生ですよね』って声をかけられても『よく間違えられるんだよなあ』とか冗談を言いながら握手していた」といった話も。2000年に亡くなったときにはご仏前に肉をお供えしたといいます。お店の中には小渕さんご夫妻が映った写真のほかに、首相になる前にお店に来たという「至誠 安倍晋三」と書かれた色紙も飾ってありました。小渕さんが掲げた「平成」も安倍首相のもとで幕を閉じていきます。
この日、先頭に並んでいた男性に聞くと、冷たい風が吹くなか午後1時半から並んでいたそうです。午後5時の開店前、お店の前は長蛇の列になっていました。