噴火1年、犠牲者悼む 本白根山麓の草津町
12人が死傷した草津白根山の本白根山(群馬県草津町)が噴火してから1年となる23日、草津町は麓のスキー場で追悼式を開いた。参列者は発生時刻に合わせて黙とうし献花して犠牲者を悼むとともに、打撃を受けた観光産業の再起を祈った。
本白根山は18年1月23日午前10時2分ごろ噴火。スキー場で訓練中だった陸上自衛隊員の伊沢隆行さん(当時49)が噴石の直撃を受けて死亡し、スキー客を含む11人が重軽傷を負った。
追悼式で草津町の黒岩信忠町長は「安全な町づくりをしていくことを誓う」と述べた。伊沢さんが所属していた陸自第12旅団の後藤信博2佐は式の後、「訓練中に同僚を守ったと聞いている。身をもって責務を完遂された」と話した。
草津町は本白根山と約2キロ離れた白根山の2つの火山について、ハザードマップ(危険予測地図)と避難計画を今年3月までに作成する方針。避難経路や注意を周知する内容になる見通しだ。
草津温泉への客足は噴火以降減ったが、昨年12月は前年を上回るまでに回復。ただ、長野県側からの観光客が利用する志賀草津道路(国道292号)は一部が白根山の警戒範囲に含まれ、立ち入りが規制されている。冬季閉鎖解除後に開通できるか見通せない。
白根山は昨年9月に噴火警戒レベルがいったん2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げ後、再び2に引き上げられた。本白根山はこの間も2の状態が継続された。〔共同〕