福邦銀がフィンテック独自アプリ 県内情報誌と連携
福邦銀行は21日、福井県内で月刊情報誌を発行するウララコミュニケーションズ(福井市)と共同企画した個人向け公式アプリサービスを開始した。残高照会やインターネットバンキングとの連動など基本的なサービスのほか、地域のクーポン発行やIT(情報技術)企業と連携した通帳管理機能などを搭載。2020年3月期をメドに1万ダウンロードを目指す。
公式アプリ「ふくほう Park」に掲載する飲食店などのクーポンは福邦銀の顧客企業を中心に、ウララコミュニケーションズがコンテンツ化し、イベント情報や生活のお役立ち情報と合わせて発信する。これらの機能は福邦銀行の口座を持っていなくても利用することができるため、新規顧客の獲得が期待できる。顧客企業の知名度を上げるなどして成長を支援する役割も持つ。
アプリの金融サービス充実機能としては、アイ・ティ・リアライズ(東京・渋谷)が展開する「地銀アプリwithCRECO」の福邦銀版を搭載した。登録したクレジットカードや電子マネーの利用情報や入出金などの口座明細をカレンダー機能と連動させて通帳管理の利便性を上げる。北陸3県の金融機関では初の機能だという。
このほか、マネーツリー(東京・港)と連携し、他行を含め複数の口座情報と連動した資産・各種ポイントの一括管理機能も有する。今後も複数の業務提携先と協力してサービスを拡充する方針で、渡辺健雄頭取は21日の会見で「与信資産管理など地に足を着けて(サービスの)改革を進める」と説明した。
ウララコミュニケーションズは福井県内の食やイベントなどを取り上げる月刊情報誌「URALA」を発行する。月刊発行部数は5万5千部と県内での認知度は高い。
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