トランプ氏、元側近に虚偽説明指示か 民主が調査へ
【ワシントン=中村亮】米議会下院の司法委員会トップを務める民主党のジェロルド・ナドラー議員は18日、トランプ大統領が元側近のマイケル・コーエン被告に議会で虚偽説明をするよう指示していたとの一部報道について真偽を調査する方針を示した。ツイッターで明らかにした。ロシア疑惑などと並んで、トランプ氏をめぐるスキャンダルの争点の一つになる可能性がある。
ニュースサイト「バズフィード」によると、トランプ氏が推進したモスクワでのホテル事業をめぐって、コーエン被告に虚偽説明をするよう求めたという。
ただ司法当局は18日の声明で「報道内容は正確ではない」と否定した。トランプ氏も同日、ツイッターで「(コーエン被告による)刑期を減らすための嘘だ!」と報道を否定した。
ナドラー氏は「議会に嘘をつくよう部下に指示することは連邦法違反だ」と指摘、「司法委の仕事は真相に迫ることであり、それをやるつもりだ」と強調していた。仮に指示が事実であれば、民主党内に大統領弾劾の発議を求める声が強まる可能性がある。
コーエン被告は2017年の公聴会で、ホテル事業を打ち切った時期を16年の米大統領選が本格化する前の同年1月と説明した。だが実際にはロシア政府関係者らとの協議が6月ごろまで続いていた。被告は18年11月、トランプ氏周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑を捜査するモラー特別検察官に虚偽説明をした罪を認めていた。
コーエン被告はトランプ氏の不動産ビジネスを長年にわたって支えてきた。トランプ氏に強い忠誠を誓っていたが、最近はトランプ氏を批判する立場に転換した。