高校普通科、進路・個性でタイプ分け 教育再生会議が中間報告
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫前早稲田大総長)は18日、高校教育の改革を盛り込んだ提言の中間報告をまとめた。7割の生徒が通う高校普通科について、画一的な教育を見直す必要性を指摘。進路や個性に応じて専門性のあるカリキュラムを選べるように、普通科をタイプ分けすることを今後検討するとした。
安倍晋三首相は会議で「Society5.0(超スマート社会)を生き抜くことができる多様な人材を育成するため、普通科のあり方を見直し、文系理系の両方をバランスよく学ぶ仕組みの構築など高校の多様化が重要だ」と発言した。
現在の高校は3学科あり、2017年度の在籍数は普通科が239万人、専門学科71万人、総合学科18万人だった。最近約30年間は、普通科が7割程度を占めている。
普通科では国語や数学、理科、社会など3学科共通の基礎的な科目を主に学んでいる。中間報告ではこうした画一的な教育が、生徒の様々な能力や興味関心に応えられていないと指摘。学ぶ意欲もそいでいるとした。
具体的な見直し方法は今後詰めるが、進路希望や個性に応じて専門性の高いコースで学べるようタイプ分けすることを検討する。例えば国際的な仕事をしたい生徒向けに「国際コース」、地域に根ざした人材を目指す「地域創生コース」を設置するといったことを想定。単位の取得方法の変更なども考えていく。
一方、普通科を見直すことで、専門性が高い専門学科や総合学科のあり方も課題になる。現在は「工業科」「商業科」などがある専門学科は特定分野についての専門科目を主に学び、総合学科は共通科目と専門科目の双方を目的に応じて選択できる。同会議は各学科の役割を検討し、現状の3学科の区分が適当かも議論する。
中間報告は高校教育のほか、インターネットを通じた遠隔教育の活用など、先端技術の発展に応じた教育の変化の必要性も盛り込んだ。同会議は4~5月に最終的な提言を取りまとめる方針だ。