リオ・ティント、18年の鉄鉱石出荷過去最高に 3億3800万トン
【シドニー=松本史】英豪資源大手のリオ・ティントは18日、2018年のオーストラリア産鉄鉱石の出荷量が前年比2%増の3億3820万トンとなり、過去最高を記録したと発表した。鉱山を拡張したことによる増産が寄与したほか、天候にも恵まれた。通年の鉄鉱石価格は1トン当たり62.5ドル(約6800円)と17年から4%下落した。
中国経済は米中貿易戦争の影響も受けて減速しており、中国を資源の主要輸出先としている豪州への打撃が懸念されている。ただ、鉄分を多く含んでいる高品位品が多い豪州産の鉄鉱石輸出は、貿易戦争による影響が「比較的軽微」(豪政府)とみられている。
リオは19年の出荷目標を3億3800万~3億5千万トンと設定しており、18年からの微増を見込んでいる。
銅の生産も堅調だった。チリのエスコンディーダ鉱山で起きたストライキが収束したことなどから、18年は前年比33%増の63万トンを生産した。
ジャンセバスチャン・ジャック最高経営責任者(CEO)は「高成長が見込める分野に投資し、資産構成を強化した」と述べた。
リオは18年に石炭事業から撤退し、同年11月にはナミビアのウラン鉱山の権益売却を発表している。一方で、西オーストラリア州で26億ドルを投じてクダイデリ鉄鉱山の開発を決定するなど、鉄鉱石への投資を強化している。
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