東京海上HD社長に小宮氏 事業会社は広瀬氏に交代
【イブニングスクープ】
損害保険国内最大手の東京海上ホールディングス(HD)は18日、小宮暁専務(58)が6月に社長に昇格する人事を固めた。永野毅社長(66)は代表権を持たない会長に就く。中核子会社の東京海上日動火災保険は北沢利文社長(65)が4月1日付で副会長となり、広瀬伸一東京海上HD専務執行役員(59)を後任の社長に充てる。
持ち株会社と事業会社のトップが同時に交代するのは、2002年に持ち株会社制に移行して以来初めて。積極的なM&A(合併・買収)によって海外で一定の収益基盤を築いたことから、経営陣の世代交代を進める。国内外のグループ一体経営を強化し、デジタル化などによる環境変化に柔軟に対応できる体制を整える。
東京海上は指名委員会で新たな経営陣を固めた。近く取締役会を開いて決定する。HDは6月下旬の株主総会後に新体制に移る。隅修三会長(71)はHDの役職を退く。
小宮氏はグループ最高経営責任者(CEO)と東京海上日動の会長を兼務する。企画や人事畑を中心に歩み、16年から海外事業戦略を指揮した。広瀬氏は商品開発などを経て14年から3年間、東京海上日動あんしん生命保険の社長を務めた。
永野氏は15年に国内金融機関で最大規模の買収となる、米保険大手HCCの買収(約9400億円)を実現するなど海外事業の基盤を固めた。13年の社長就任以来、連結業績は5年連続で過去最高益を更新した。経営理念をグループに浸透させることにも注力し、グローバルに拡大する組織を束ねた。
小宮 暁氏(こみや・さとる)83年(昭58年)東大工卒、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。15年東京海上HD執行役員経営企画部長、18年専務。神奈川県出身。
広瀬 伸一氏(ひろせ・しんいち)82年(昭57年)名大経卒、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。14年東京海上日動あんしん生命保険社長、18年東京海上HD専務執行役員。愛知県出身。
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