挺身隊訴訟、不二越の控訴棄却
【ソウル=山田健一】太平洋戦争末期に朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊として朝鮮半島から動員され、軍需工場で働かされたとして韓国人女性らが不二越に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、韓国ソウル高裁は18日、同社に賠償を命じた一審判決を支持する決定をした。原告1人あたり最高1億ウォン(約970万円)の支払いを命じた判決を不服として控訴した被告側の訴えを退けた。
一審のソウル中央地裁は2014年10月、1965年の日韓請求権協定では個人の請求権は消滅していないと判断。同社に1人当たり8千万~1億ウォンの損害賠償の支払いを命じていた。不二越をめぐる訴訟は、1月中に別の控訴審判決が2件予定されている。
元徴用工の訴訟を巡っては、韓国最高裁が18年10月に新日鉄住金への賠償を命じる確定判決を出して以降、最高裁や下級審で日本企業が敗訴する判決が相次いでいる。
これに対し、日本政府は日韓請求権協定で問題が完全かつ最終的に解決したとの立場。最高裁判決により国際法違反の状態が生じたとして韓国政府に是正措置を要求し、協定に基づく初の協議開催も要請した。