北朝鮮高官が米国入り 米朝再会談を調整
【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の側近である金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は17日夜(日本時間18日朝)、北京発の民間機でワシントン入りした。18日にポンペオ国務長官と会談する見通しで、2回目の米朝首脳会談に向けた調整にあたる。早ければ同日中に再会談の開催が発表されるとの観測もある。
金英哲氏の訪米には党統一戦線部のキム・ソンヘ統一戦線策略室長も同行した。複数の米メディアによると、金英哲氏はトランプ大統領宛ての書簡を携えているといい、同氏に手渡す可能性がある。同氏は年初に金正恩氏に送った書簡で再会談を呼びかけたとされ、その返事にあたるとみられる。
金英哲氏はハスペル米中央情報局(CIA)長官とも会談するとみられる。2018年11月にはニューヨークでポンペオ氏と会談する予定だったが、直前にキャンセルした。米国務省は今回の米朝高官協議の開催についてまだ公式に発表していない。
トランプ氏は米朝再会談の候補地としてベトナムやタイをあげたとされる。有力視されるベトナムは北朝鮮の伝統的な友好国で、中部ダナンや首都ハノイでの開催が取り沙汰されている。
6月にシンガポールで開かれた初の米朝首脳会談は「朝鮮半島の完全な非核化」で合意した。次の首脳会談では、この実現に向けてどこまで具体的な道筋を示せるかが焦点となっている。ただ、北朝鮮は米国による制裁緩和を要求しており、協議は滞っている。
金英哲氏は18年5月にも訪米し、6月に開かれた初の米朝首脳会談の調整にあたった。当時もホワイトハウスでトランプ氏に親書をわたした。