ファーウェイCEO、欧米メディアの取材で反論
情報漏洩などの疑惑を否定
【広州=川上尚志】中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の創業者である任正非・最高経営責任者(CEO)が15日、広東省深圳市の本社で欧米メディアの取材に応じた。英フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、任氏は「どの政府からも不適切な情報を提供するよう要求されたことは一度もない」と述べ、安全保障上の懸念から米国などで同社製品を締め出す動きが広がっていることに反論した。
ファーウェイを巡っては任氏の娘である孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)がイランとの不正取引に関わった容疑で2018年12月にカナダで逮捕された。さらに19年1月11日には、ポーランド法人の元社員が中国情報機関のためにスパイ活動をした容疑で現地当局に逮捕されたことが明らかになっている。FTによると、任氏は「私は自らの国を愛し、中国共産党を支持する。ただ、世界のどの国に対しても傷つけるようなことは何もしない」と説明した。
ファーウェイの通信機器に関し、データを盗み出す「バックドア(裏口)」が仕込まれ、スパイ活動に使われているのではないかとの一部の疑念については「中国のどの法律も企業に対しバックドアを強制的に設置させることはない」と反論。さらに自社製品について「安全面で深刻な問題は存在しない」と主張した。
任氏は「ハイテクの世界では一つの企業や国が世界の需要に対応することはますます不可能になっている」と述べ、海外企業との連携を望む考えを示した。米国やオーストラリアでファーウェイ製品を締め出す動きが広がっていることについては「当社を歓迎する国々によりよいサービスを提供することに注力していく」と述べた。