米トルコ首脳が電話協議、溝埋まらず
【テッサロニキ=佐野彰洋】トルコのエルドアン大統領は14日、トランプ米大統領とシリア北部での安全地帯設置をめぐり協議した。トルコ大統領府が発表した。トランプ氏は13日、米軍のシリア撤収に絡み協力関係にあるクルド人勢力に対し、トルコが攻撃に踏み切った場合には「トルコに経済面で打撃を与える」と警告し、トルコは強く反発していた。緊張緩和を探ったもようだが、両国の意見の隔たりは大きい。
トルコは国内の非合法武装組織とシリアのクルド人勢力を同一の「テロ組織」とみなし、米軍の支援停止を求めている。安全地帯について、トルコが国境地帯からの同勢力排除を念頭に置いているのに対し、米側はトルコとの衝突回避に重点を置いているとみられる。
サンダース米大統領報道官の声明によると、トランプ氏は14日の電話協議で、トルコが同勢力を不当に扱わないよう求めたと明らかにした。2国間の溝は埋まっておらず、15日には両軍のトップが会談し利害を調整するという。