米海軍トップが13日から訪中へ 緊張緩和狙う
【ワシントン=永沢毅】米海軍は11日、制服組トップのリチャードソン作戦部長が13~16日の日程で中国を訪問すると発表した。中国の海軍トップ、沈金竜司令官と会談する。南シナ海での中国による軍事拠点化などが議題になるとみられる。貿易戦争の余波もあって米中の間で高まっている軍事面での緊張緩和と軍事当局間のパイプ維持が狙いだ。
リチャードソン氏は声明で「とりわけ摩擦が生じているときにはリスクを減らし、読み違いを避けるためにも定期的な意見交換は不可欠だ」と表明。「率直な対話は建設的な形で関係改善につながる」と強調した。
沈氏は2018年9月下旬、訪米時にリチャードソン氏との会談を突然キャンセルした経緯がある。米国がロシアへの制裁違反として、中国の中央軍事委員会幹部らに制裁を科したためとみられている。その後、中国の駆逐艦が南シナ海で米艦船に異常接近する事態が起きるなど、軍事当局間で緊張がかつてなく高まっていた。