米政府閉鎖が最長更新 22日目、「壁」対立続く
【ワシントン=鳳山太成】米連邦予算の一部失効による政府機関の一部閉鎖は12日、過去最長の22日目に入った。クリントン政権下で1995年から96年に起きたこれまでの過去最長の政府閉鎖(21日間)を超えた。トランプ大統領が求める「国境の壁」建設費の予算計上を巡る与野党の対立は膠着状態に陥っており、収束する兆しはいまだ見えない。
上下院は11日、失効中の予算を手当てすることなく審議を終えた。14日に再開する。2018年12月22日から始まった政府機関の一部閉鎖は、少なくとも1月14日まで続く見通しになった。国境警備を担う国土安全保障省のほか、財務省や商務省など連邦政府全体の25%の予算が失効した状態が続いている。
過去最長の記録を更新するのは23年ぶり。前回は7年間の財政均衡計画を策定するにあたり、楽観的な予測を使う当時の民主党、クリントン大統領と、保守的な見積もりを求めた共和党が対立して政府閉鎖が21日間続いた。
トランプ大統領は11日、記者団に「国境の壁がないため人身売買などの犯罪が起きている」などと強調し、壁建設の必要性を改めてアピールした。しかしペロシ下院議長ら民主党の議会指導部はトランプ氏批判を続けており、歩み寄りの機運が乏しい。
トランプ氏は57億ドル(約6200億円)の壁建設費を求めているが、民主党は反対している。同氏は議会承認を得ずに壁建設を強行する「非常事態宣言」を検討してきたが、11日には「権利はあるが、いますぐは考えていない。民主党は戻ってきて(壁建設費を含む予算案に)投票すべきだ」と述べるにとどめた。