日仏2プラス2、海上共同訓練の定期実施で合意
【パリ=白石透冴】日本とフランス両政府は11日、仏西部のブレストで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開いた。南シナ海などで強引な海洋進出を続ける中国の抑止を念頭に、自衛隊と仏海軍の共同訓練を定期的に実施することを決めた。日仏で海洋問題を包括的に話し合う枠組み「包括的海洋対話」の創設にも合意した。
日本からは河野太郎外相と岩屋毅防衛相、フランスからはルドリアン外相とパルリ国防相が出席した。日仏2プラス2は5回目で、前回は2018年1月に実施した。
日仏の海上での訓練は従来、比較的規模の小さい「親善訓練」が中心だった。だが18年は対水上戦の共同訓練を太平洋で実施するなど実戦的な内容に移っている。
協議後の共同声明では「あらゆる部隊で、実戦的で定期的な共同訓練を実施すると確認した」などとした。中国の東シナ海、南シナ海への進出に名指しを避けつつも懸念を示し「緊張を高める一方的な行動に強く反対する」と記した。
包括的海洋対話は日仏が安全保障、環境保護、技術協力など地域を限定せず幅広く海洋分野で協力するための枠組み。年内に開く見通しだ。
フランスは南太平洋の仏領ニューカレドニアを拠点とする艦隊を持ち、自身を太平洋の海洋国家と位置付ける。インド、オーストラリアとも協力し、海洋での対中包囲網を作ろうとしている。