米農務省、穀物需給の発表中止 政府機関閉鎖で
【シカゴ=野毛洋子】米農務省は11日に予定していた1月の米穀物需給の発表を中止した。連邦予算の一部失効で政府機関の一部閉鎖が続いており、農務省も影響を受けているため。輸出売上高の報告も停止する。市場関係者は穀物相場を左右する収穫量や在庫をはじめ、対中輸出量といった主要データの入手ができない状態になっている。
このまま農務省も閉鎖状態が続けば、穀物需給の発表は2月にずれ込む可能性もある。「目隠しで歩いているようなもの」(米穀物調査会社アグリソースのアナリスト、ベン・バックナー氏)と、市場には先行き不透明感が広がっている。
農家にも影響が及んでいる。アイオワ州の大豆農家、ティム・バードール氏は「中国が米産大豆をどれだけ買っているのかわからない」と話す。米中貿易戦争の打撃を受けた中国向け輸出の動向は穀物価格を大きく左右する。バードール氏は「農務省のデータ不在は痛い。今年の作付け計画が立てられない」と、早い時期の解決を望んでいる。