VW、昨年の世界販売過去最高 3年連続トヨタ上回る
【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)グループが11日発表した2018年の世界販売台数は、17年実績比0.9%増の1083万4千台だった。過去最高を更新した。1055万台が見込まれるトヨタ自動車を3年連続で上回った。ロシアやブラジルなど新興国で好調だった。ただ、主力の中国や西欧の新車市場の減速で年後半は前年割れし、勢いが続かなかった。
3年連続で世界一になったかは確定せず、仏ルノー・日産自動車連合が近く公表するとみられる販売実績の結果次第となる。同連合は17年に通年で2位、18年1~6月の上半期には世界一となり、VWとの首位争いが注目されている。
VWの販売をブランド別に見ると、11の四輪車ブランドのうち9ブランドで過去最高を記録した。主力のVW乗用車ブランドは0.2%増の624万台だった。車種数を大幅に広げている多目的スポーツ車(SUV)は38%増えた。
大衆車ブランドのシュコダ(4.4%増)とセアト(10.5%増)で合計約10万台を積み増し、高級車アウディ(3.5%減)の落ち込みを補った。
地域別では中国販売が0.5%増の420万台だった。市場全体が勢いを失う中、かろうじて17年実績を上回った。ただアウディやポルシェなどの高級車は好調だったが、主力のVW乗用車ブランドは2.1%減となった。
欧州販売は1.2%増だった。母国ドイツで前年割れするなど西欧で伸び悩んだが、19.8%増となったロシアを含む中東欧は7.1%増と堅調を維持した。北米は米国はプラスだったがメキシコが落ち込み2%減。南米はブラジル市場の回復で13.1%増となった。
18年は、上半期の1~6月は前年同期比7.1%増だったのに対し、下半期の7~12月は4.9%減と対照的な結果となった。
19年も販売のカギを握るのは中国市場だ。ただVWの直近の18年12月の中国販売は前年同月比12.5%減と、足元で落ち込みが続いている。
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