トランプ氏の元顧問弁護士、2月に議会証言へ
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が2月7日に議会下院の公聴会に出席することが10日、明らかになった。トランプ氏の不倫相手とされる女性に口止め料を支払ったり、同氏のロシアビジネスを推進したりした件について、野党・民主党が追及する見通しだ。
米メディアによると、コーエン被告は議会証言を通じて「事実関係について完全かつ信頼性の高い説明をする」と語っている。被告が2018年12月に有罪判決を受けた後に議会証言に応じるのは今回が初めて。公聴会は一般公開される。被告は長年にわたってトランプ氏の不動産ビジネスを支え、トランプ家の内情を深く知る人物だ。
トランプ氏に不利な証言をする可能性は高いが、同氏は10日、訪問先のテキサス州で記者団に「全く心配していない」と述べた。
コーエン被告は16年の米大統領選直前にトランプ氏の不倫相手とされる元ポルノ女優らに口止め料を支払い、女性スキャンダルの暴露を防いだ。ニューヨーク検察によると、大統領選の共和党候補だったトランプ氏がこの支払いを指示した。口止め料は政治献金とみなされ、金額が選挙資金法が定める上限を超えた。
民主党内にはトランプ氏が共犯にあたるとの見方があり、議会証言における焦点の一つになる。一部の民主党議員は大統領弾劾に値する可能性があるとも指摘している。
もう一つの注目点はロシアとの関係だ。コーエン被告はトランプ氏が主導したモスクワでのホテル事業を実現するためにロシア政府関係者と緊密に連絡を取り合っていた。あるロシア人からは大統領選に出馬したトランプ氏に対して「政治的な相乗効果」を持ちかけられた。トランプ陣営とロシアが大統領選で共謀した疑惑に関連し、民主党が問い詰める見通しだ。