金正恩氏「米朝再会談へ努力」 習氏との会談で表明
【北京=永井央紀】中国国営の新華社通信は10日、習近平(シー・ジンピン)国家主席が8~9日の2日間にかけて北京で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談したと伝えた。金正恩氏は調整中のトランプ米大統領との2回目の会談について「非核化を堅持し、国際社会に歓迎される成果を得られるよう努力する」と表明した。習氏も米朝対話の継続を支持し、中国としても積極関与する姿勢を示した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も10日、中朝首脳会談の詳細を報じた。金正恩氏は習氏に訪朝を要請し、習氏は受け入れた。時期など詳細は明らかになっていない。
新華社によると、中朝首脳会談は8日は人民大会堂、9日は北京飯店で2回行われた。金正恩氏は非核化について「関係国が北朝鮮の懸念に積極的に応え、朝鮮半島問題の全面的な解決を一緒に推し進めることを望む」と表明した。非核化の進展に応じた制裁緩和や、朝鮮戦争に関する終戦宣言と平和協定などを求めたようだ。
2018年に打ち出した経済建設へ総力を結集する新路線にも言及し「引き続き全力で実行していく。そのために良好な外部環境をつくっていく」と強調。「中国の発展の経験はとても貴重だ。たくさん訪中して視察したい」と述べた。
習氏は「朝鮮半島の政治的解決は得がたいチャンスを迎えている」と述べ、米朝首脳会談など対話による問題解決への支持を表明した。「中国は北朝鮮や関係国と一緒に朝鮮半島の平和安定と非核化へ建設的な役割を発揮していきたい」と積極関与する考えも示した。
19年は中朝国交樹立70年にあたると指摘し、「金委員長と一緒に中朝関係の未来の発展をリードしていきたい」と語った。