LINE、医療関連に参入 オンライン相談、エムスリーと新会社
LINEは8日、医療関連事業に参入すると発表した。医療サービス大手のエムスリーと共同出資会社を設立し、対話アプリを使った医療相談や診療を手掛ける。LINEは保険事業や転職情報事業などにも参入し、ネットサービスを拡充している。アプリに生活関連サービスを集約させ、使用頻度を高めてもらう狙いがある。
新会社のLINEヘルスケア(東京・新宿)を4日付で設立した。資本金は1億7000万円で、LINEが51%、エムスリーが49%を出資した。社長にはLINEの室山真一郎執行役員が就任した。
エムスリーは医療関係者の専用サイトを運営しており、27万人の医師と16万人の薬剤師の会員基盤を持つ。LINEの対話アプリで医療に関する質問やオンライン診療をできるようにする。
まず、2019年中にオンラインで医師に相談ができる遠隔健康医療相談サービスを始める。エムスリーの会員の医師が対話アプリで相談に応じる。病気になる前に気軽に医師に相談できる環境を整え、日常生活の実態に基づいた医療を実現する狙いもある。今後は、処方薬の宅配サービスやアプリで病院の予約機能なども検討する考えだ。
対話アプリの世界市場の勢力図はほぼ固まったとされ、LINEはアプリの利用頻度を高めることを重視する戦略にカジを切っている。18年には損害保険ジャパン日本興亜と提携して保険事業に参入したほか、エン・ジャパンと組んで転職情報サービスも始めた。