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FRB、市場の鎮火優先 債務リスク解消遅れも

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【アトランタ=河浪武史、ニューヨーク=大塚節雄】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日の講演で、世界的な株安を受けて「金融政策を柔軟に見直す」と述べ、利上げを一時停止する考えをにじませた。2019年に2回の利上げを想定していたが、引き締めに動揺する市場の火消しを優先した。利上げ路線が棚上げになれば金融危機後の緩和策による債務膨張も解消が遅れ、FRBのジレンマは深まる。

「市場は中国経済を中心に世界景気の下振れを不安視している。金融政策はリスク管理だ。迅速かつ柔軟に政策を見直す用意がある」。パウエル氏は4日、全米の経済学者が集まった会合の冒頭で用意した政策方針を慎重に読み上げた。

FRBは昨年12月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年4回目の利上げを決断し、パウエル氏は「年2回の利上げを継続する」と宣言。中国経済の減速懸念で調整局面に入っていた市場との対話を誤ってズレが生じ、米株急落が世界的な株安の起点になった。

FRBは17年秋から量的緩和で買い入れた保有資産の圧縮も始めているが、パウエル氏は「問題が発生すればバランスシートの正常化も含めて修正をためらうことはない」と「量的引き締め」を見直す可能性にまで言及した。12月には「変更するつもりはない」と述べていたが「別の結論に至れば、ためらわず変更する」と主張を転換した。

市場は年明けから利上げ停止を強く催促していた。3日の金利先物市場は4割強の確率で年内の利下げを織り込むほどだった。追い込まれたパウエル氏は「必要なら政策を大幅に転換する準備がある」とまで踏み込んで市場の火消しを優先した。ホワイトハウスの圧力もある。利上げを毛嫌いして口先介入を繰り返すトランプ大統領は、パウエル氏の解任を一時検討したとされる。

4日のパウエル氏の発言によって市場は「19年は利上げなし」に傾いた。金融政策への過度な不安がひとまず後退し、4日のダウ工業株30種平均は前日比の上げ幅が一時830ドルに達した。

パウエル氏は4日に「米経済は底堅く、勢いを保ったまま19年に入った」と強調して景気不安も抑えにかかった。12月の雇用統計は就業者の増加幅が30万人超と極めて強い数字で、賃金上昇率も3%台と約9年半ぶりの水準を保つ。

だが先行きの根強い景気不安が解消されたわけではないことは、債券市場に色濃く出ている。国債利回りを期間ごとに並べたイールドカーブは、期間が長い債券ほど利回りが高くなるため右肩上がりの曲線を描くのが通常の姿だ。足元では3~5年前後が目立って低く、いびつな形になっている。4日は株高に伴って金利が期間を問わず上昇したものの、イールドカーブのゆがみは変わらなかった。

5年前後の金利は「先行きの不透明感を最も反映しやすい」(米運用会社ストラテジスト)とされる。期間5年と2年でみた金利差は昨年12月に逆転し、いったん解消したあと年明けに再逆転している。「過去には5年の低下が起点となって10年と2年の逆転が生じた」(野村証券)といい、景気後退の予兆とされる長短金利逆転の「逆イールド」懸念が残る。

米製造業の12月の景況感指数は約10年ぶりの悪化幅。中国経済の減速が原油価格を一段と押し下げれば、資源国の景気を下押しして世界経済も「負の循環」に突入する。もはやFRBが足元の米景気を楽観視して利上げを進められる環境ではなくなりつつある。

FRBは15年末のゼロ金利解除から3年が過ぎ、政策金利は2.25~2.50%となった。3年前は景気を過熱させず冷やしもしない「中立金利」を3.5%と想定し、同水準を目指して「政策金利の正常化」を進めてきた。

利上げ路線が停止すれば、緩和下で蓄積された市場のひずみというリスクの解消を先送りしてしまいかねない。FRBは金融危機後に4兆ドル超の緩和マネーを放出。米国を中心に財務的に弱い企業の債務が膨張しているほか、新興国などではドル建て債務(米国以外の非銀行部門)が直近10年で1.9倍に拡大している。

世界景気はかつてに比べFRBの利上げに耐えられなくなっている。FRBは戦後、景気悪化時に平均5%超も利下げして経済の底割れを防いできた。「景気悪化時には我々はあらゆる手段を用いて対応する」。パウエル氏の勇ましい言葉通りの緩和余地をFRBは取り戻せておらず、機動的な政策対応に影を落とすおそれがある。

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